あたしの意地悪不良彼氏
着いた場所は図書室。
『…凌。』
『あ?』
『ありがとね。』
『あぁ。』
『…あたし。あたし。ね?…ッ。本当に…ッ』
溢れ出す涙をこらえきれなくて言葉を続ける事が出来なかった。
『…ッ!』
『…。』
『…凌?』
あたしは急に凌に抱きしめられた。
『ごめんな。』
『…え?』
『守ってやれなくて。泣かせちまって、ごめんな』
『凌は、なんにも悪くないよ。あたし、嬉しかったよ?凌が助けにきてくれて。』
普段とは正反対の弱々しい声に少し動揺しつつ、あたしは答えた。
『…ッ』
そして、互いに引き寄せあうように何度も何度もキスをした。
ねぇ。
凌。
あたしはスキだよ。
凌からのキスも今は嫌じゃなかった。