【K.A】Alice in LOVEworld
chapter1.不思議の国へ
もう一度、穴へ
17歳になった私は毎日家族に結婚話を持ってこられていた。
「あ!アリス、見てちょうだい。
この方、すっごくいいわよ?」
あ~、はいはい。
もうすっごくめんどくさい。
私はお母さんに差し出された写真をチラッと見て、ため息をついた。
って、あれ?
どっかで似たような顔を見たことあるような…
そうだ!
10年くらい前に行ったあの変な国にいた帽子屋さんに似てる。
帽子屋さん、かっこよかったなぁ。
たしか、名前はフェイル・ブラッドだっけ?
私のこと、助けてくれたし。
結婚する前にもう一度会いたいなぁ。
って、会いにいけばいいのか。
そうだよね。
もう一度あの穴から行けばいいんじゃん!
思い立ったが吉日。
庭へ出て、あの穴を探した。