レプリカ3分前

相変わらず、樹市子からな返事はない

本当に必要最低限のことしか話さないんだな、と日下部は感心した
自分には出来ない神業だ


「えっとえっとぅ、それって、入澤さんは女装した樹市子くんとカップルに見せかけて旅館に潜入するつもりですか?」


「かなり日本語の表現は違うけど、大体はそんな感じだね」

「日下部一人になっちゃうじゃないですか」


「うぅん、どうにかできるでしょ?」


「うわぁ、入澤さん、見かけによらず冷たいですね、南極の氷みたいですよ」


樹市子の隣に日下部が座る、といっても、大きな鞄が1つ裕に置けるほど


これが彼女たちの新密度の距離である

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