レプリカ3分前

「クオウ゛ァディス」

やはり本から目を離さない

「あぁ聞いたことある。シゥンキェーウ゛ィチだっけ?」

樹市子は頷く
あれ?なんで私、そんなの知ってるんだろ、日下部は自問自答したがわからない

結局暇だ

「その本を読むことは急ぐことなの?」


樹市子は顔を上げ、「何と比べて?」と聞いてきた


彼が3文字以上話したことに、日下部は驚いた

なにに比べてだろう
「わからない」


それだけ返事をすると、溜め息をつき、樹市子に謝った

「ごめん、本の続きをどうぞ」

日下部は窓から見える空を見て、独り言を言った

「はぁぁぁ、志波さんがいてくれたらなぁぁぁぁぁぁ」


< 13 / 30 >

この作品をシェア

pagetop