レプリカ3分前
「クオウ゛ァディス」
やはり本から目を離さない
「あぁ聞いたことある。シゥンキェーウ゛ィチだっけ?」
樹市子は頷く
あれ?なんで私、そんなの知ってるんだろ、日下部は自問自答したがわからない
結局暇だ
「その本を読むことは急ぐことなの?」
樹市子は顔を上げ、「何と比べて?」と聞いてきた
彼が3文字以上話したことに、日下部は驚いた
なにに比べてだろう
「わからない」
それだけ返事をすると、溜め息をつき、樹市子に謝った
「ごめん、本の続きをどうぞ」
日下部は窓から見える空を見て、独り言を言った
「はぁぁぁ、志波さんがいてくれたらなぁぁぁぁぁぁ」