レプリカ3分前
「どうしたの?樹市子くん。もしかして怖じけづいた?」
「いや」
樹市子は両手をポケットに入れながら、日下部を抜かし、入澤の後に民宿に入った
もう少し何か話題はないのか
樹市子と何かもう少し盛り上がれる話題は…
考えに考えた日下部だったが、全く思い浮かばない
自分も民宿に入ろうと歩きはじめると、目の前に靴跡があるのに気がついた
入澤か樹市子のものではないし
民宿だし、他の客のものだろうか
「あれ……」
何か引っ掛かったけど
なんだろう
そのもやもやは一瞬で消えた