レプリカ3分前

まあ
声が聞こえないのはいつものことなんだが、と日下部有紗は自分の質問にツッコミながら聞いた


「樹市子ならさっきっからベンチで本を読んでるよ。とにかく気を付けてきてね。」


そのまま電話を切られた。

少し止まり、空を見上げた後「よし!あともう少し」とまた走り始めた



事の始まりは、1週間前

神奈川のY大学医学部に通っている2年生の日下部有紗は、ゼミのプレゼンの為、大学の図書館で臓器の資料を探していた


そこで、自分よりも5歳年上で Y大学院に通っている入澤晦に会った


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