ボランティア委員
「ラーメンってさ、中国のめんだから“中華そば”なんだよね?でも、普通のそばは“日本そば”ってあんまり呼ばないよねー。危、なんでだろ?」
テニス部の午前中の練習が終わり、
帰る途中のラーメン屋で昼飯を食べていた土曜日。
カウンター席で私は塩ラーメン、蓮華はしょうゆラーメンを注文した。
面倒くさい質問はいつものことなので、適当にあしらっておく。
「それはさ、日本そばは日本人が作ったモノでしょ。でも、ラーメンは中国人。異国との差別ってやつかもね。」
金髪眉なしの若い店員からどんぶりを受け取る。
先週来た時は、雑用をしていた店員だ。
にっこり笑いながら「おまちどうさん!!」といってくる。
同じく、蓮華は店長らしきおじさんからどんぶりを受け取る。
「なにそれー。危、もし本当だったら酷くないー?」
ラーメンに七味とコショウをふりながら、こちらに顔を向ける。
反動で私のネームプレート、『藤澤危(ふじさわ あやめ)』のところにコショウがほんの少し、かかる。