ボランティア委員
「それは、清少納言が中宮様に使えるものとしてふさわしいって認められた話でしょ?」
「中宮って何?おいしいの?」
蓮華まで、マリナの真似しないでほしい。
「中学校って言えばさあ、マリナってば……」
「蓮華だって……」
2人で話し始めてしまった。
今は4時間目で、C組とD組合同の体育。
嫌いではないが、好きでもない、バスケだ。
得点板を外の倉庫に片付けようとし、あまりの寒さに悶絶した、というわけだ。
そろそろチャイムが鳴るから、着替えの時間確保のため早めに授業は終わりになるはず。
体育館は校舎と離れているので、渡り廊下を通らなくてはならない。
屋根があるだけなので、横からの風が肌にぶつかる。
だから、私は授業が終わった瞬間、急いで教室に戻りたかった。
さっさと一人で得点板を片付け、体育館に一人で戻る。
「待ってよ、危~っ」
「危、そりゃないでしょーっ?」