ボランティア委員
そっとその場を離れる。
留美たちが、また騒がしく話し始めた。
とりあえず、やっと体育館の中に入ってきた蓮華達にこっそり聞く。
「蓮華、留美って何かあったの?」
「なんでおいてくかなあっ……、えっ?留美?」
蓮華が白い息を吐きながらわずかに眉を上げる。
マリナは、D組の事はさっぱりわからないようで、私と蓮華の顔を交互に見てくる。
「留美ってさあ……今日の朝、フラれたんだよね。荒岡に」
「えっ、荒岡ってあたしのクラスの?アイツ等つき合ってたのっ?」
「違う、違うー。留美が告ってフラれたのー」
「かわいそっ、てか、まさか直接じゃないよね?」
「うん、もちろんメール。なんかね、『俺には夢中になってるモノがあるから無理』って返ってきたんだって」
「夢中なモノって……アイツ、好きな奴でもいるワケ?意外かも!」
「……それで、留美の周りの子達、わざと騒がしくしてるんだね」
私の質問に、蓮華は無言でうなずいた。