ボランティア委員

留美が1-Cの荒岡文也に告った。

初耳だった。

何にも、留美から聞いてなかった。

留美のこと、友達だと思っていたから、所詮その程度のものなのか、と少し寂しくなった。

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「れーいっ」

4時間目の体育が終わった。

マリナと蓮華は体育係なので、私は先に帰ることにした。

寒かったので、渡り廊下と階段を誰よりも早く歩き、4階まで昇りきった。

チャイムがなったばかりで、誰も廊下にいなかった。

私のクラスは、階段に比較的近い教室だった。

教室に入ったとたん、冷気が足元を通り過ぎる。


「……ヒーターついてない……」


その上、ベランダのドアが全開だった。

どうりで寒いわけだ。

閉めようと思ったとき、いつの間にか戻ってきていたマリナに隣の教室から呼ばれた。


「危ーっ、ちょっときてー今月の新刊っ」

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