ボランティア委員
月曜日:携帯
留美のケータイがなくなったことを知ったのは、昼食を食べ終え、次の時間の提出物を蓮華に思い出させていたときだった。
「ケータイが無くしたって……心当たりは?」
「ううん、特には……どうしよう」
「とりあえず、更衣室見てこよ?」
「あと、体育館とか?」
「そんなトコ無いでしょ」
留美とクラスメートの女子達の会話が聞こえる。
一応、蓮華と私は教室内を中腰で探していた。
もちろん、見つかるわけないとわかっている。
正直、クラスの女子全員が騒ぐほどのことではないと思っていた。
きっと皆が騒ぐのは、留美の不幸を面白がってるのではないかと思う。
滅多にない事だからという理由もあるが、留美が荒岡に告白したことも関係してるのではないか。
荒岡は、金髪眉なしの不良だが、それなりにカッコいい。
というか、1年の女子では1番人気ではなかっただろうか。