ボランティア委員
「それじゃ。また来いよ」
「うん、また蓮華と行くから」
荒岡と別れる。
余計な時間食っちゃったな。
荒岡はこれから仕事か。
階段を上るため、足を踏み出す。
違和感があった。
ぐにゃっと、地面がもりあがってるみたいな、そんな感じ。
なにかを踏んだのだ。
足をどけて、それを指先でつまむように持つ。
それは、10センチ程度の緑色で、妙にリアルなカエルのキーホルダーだった。
荒岡が、拾うのを忘れたようだ。
見覚えがあるし、荒岡、こんなの持ってたんだな。
口元が緩む。
あの金髪の眉なしが……
その瞬間、急に思い出した。
これ、妙にリアルなカエルのキーホルダー、どこかで見たことあると思ったら……
留美のだ。
留美のケータイについてた。