ボランティア委員
火曜日:メール
河原崎先輩だ。
河原崎先輩だったんだ。
先輩は、留美のことが好きだったから――
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放課後。
昨日とはうって変わり、雲一つない限りなく広い青空が見える。
マリナに用があった私は、一人で廊下に立っていた。
その時だ。
河原崎先輩を見つけたのは。
河原崎先輩は、Dクラスの教室の前にいた。
深刻そうな顔をして、悩んでいるようだった。
悩みこんでいたせいか、先輩は私には気づいていなかった。
「先輩、どうしたんですか?」
「!!えっ、藤澤?いや、別に、えっと」
かなり動揺していた。
そして、先輩は、手に持っていたそれを、落としてしまったのだ。
それを見た時、私はあのイライラした感覚がスーッと消えていくのが分かった。
ピンクのラインストーンがびっしりと並ぶ、見慣れたそれ。