ボランティア委員

留美が教室内に残ってるのは、河原崎先輩を待っているから。

留美の友達が、河原崎先輩からメールをもらい、留美に伝えた。

そんなところだろう。

先輩は、優しい人だから。


「留美に、謝ろうとしたんですね……」


私が問いたださなくても、先輩は留美に謝るつもりだった。

私がこんなところで呼び止める必要などなかった。

むしろ、私はただの邪魔。


「……ごめんなさい」


先輩が驚いて、私を見る。


「そんな……藤澤が謝まる必要はないよ。おかげで、フラれる決意が固まった」


思わず、先輩を見つめてしまった。

本当に優しい人だ。

留美が、真実を言ってくれた、この人のことをふる訳がない。
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