ボランティア委員


「七味ってさー、なんで七つの味なの?他にも入れればおいしくなるのにー」


醤油ラーメンをほおばりながら、左隣の私に聞いてくる蓮華。

別に、7種類はいってるから七味ってわけじゃないって。

めんどくさいので、適当にあしらっておく。


「それはさ、ラッキーセブンって言うでしょ?七味も“七”が入っていれば、売れると思ったんじゃない?」

「えー?何それーっ?大体、七味ってアメリカと関係なくない?」

「ラッキーセブンってアメリカなんだ?」


塩ラーメンをずるずるっと啜る私。

店の奥のほうには、楽しそうに皿洗いをする、金髪眉なし店員の姿が見える。

学校にいるときは気だるそうなのに、ここでは大違いだ。

何かに夢中になると、人は変わるのだろう。
< 59 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop