戦場駆け征く
「漣犀」
溜息をつきながら、春鈴は漣犀の肩を抱いた。
「どうして私が王にあんな冗談を言ったと思う?」
「こんな時に、何を」
「この国の守護神を教えただろう」
混乱する頭で記憶を探る。
こんな時に春鈴は何を悟らせたいのか、全く理解出来なかった。
「確か、知神・義神・戦神…」
「それぞれに神獣として動物が当て嵌められているのを知っているか?」
「…はい、蛇・鷹・…あ」
春鈴は薄く笑った。己の鎧の胸の部分に描かれているのは、一頭の犀。
温厚な草食動物でありながら巨大で鋭い角を持つそれを、先人は畏れていた。
玲の先人は、それを神獣と崇めた。
「お前は戦神になるべくして生まれてきたんだ」
溜息をつきながら、春鈴は漣犀の肩を抱いた。
「どうして私が王にあんな冗談を言ったと思う?」
「こんな時に、何を」
「この国の守護神を教えただろう」
混乱する頭で記憶を探る。
こんな時に春鈴は何を悟らせたいのか、全く理解出来なかった。
「確か、知神・義神・戦神…」
「それぞれに神獣として動物が当て嵌められているのを知っているか?」
「…はい、蛇・鷹・…あ」
春鈴は薄く笑った。己の鎧の胸の部分に描かれているのは、一頭の犀。
温厚な草食動物でありながら巨大で鋭い角を持つそれを、先人は畏れていた。
玲の先人は、それを神獣と崇めた。
「お前は戦神になるべくして生まれてきたんだ」