戦場駆け征く
春鈴の言葉の真意を悟って、漣犀は顔を綻ばせた。

「では」

「ああ、奇襲要因に任ずる。但し無理はするな、戦場で死んだら二度とお前を戦神などとは呼ばん。戦場で討死するのを美しい等と思うな。誰より泥臭く生に執着しろ、必ずだ。これを忘れたらもう二度とお前を戦には出さない」


春鈴の言葉に頷き、漣犀は幕舎に走り去って行った。



春鈴は、確信めいた物を感じていた。



漣犀が、『戦神』になると。
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