戦場駆け征く
………
息を潜めて柄を握る。手汗が握りを湿らせていた。
『合図をしたら走れ。一人でも多くの兵を倒せ!』
指揮官兼隊長の春鈴の言葉を反復し、茂みの中から合図を待つ。
鋭い音が鳴った。
空気を裂いて鳴る、笛のような音だった。
一斉に茂みや物陰から兵士が走り出した。手にはそれぞれに剣や槍、足音が戦塵を巻き上げる。
恐らく現在、同士討ちが始まっているのだろう。奇襲部隊の接近に、彼らは気付かない。
ざくり。
弓兵の放った矢が、敵の胸を刺し貫いた。
「奇襲か……!」
息を潜めて柄を握る。手汗が握りを湿らせていた。
『合図をしたら走れ。一人でも多くの兵を倒せ!』
指揮官兼隊長の春鈴の言葉を反復し、茂みの中から合図を待つ。
鋭い音が鳴った。
空気を裂いて鳴る、笛のような音だった。
一斉に茂みや物陰から兵士が走り出した。手にはそれぞれに剣や槍、足音が戦塵を巻き上げる。
恐らく現在、同士討ちが始まっているのだろう。奇襲部隊の接近に、彼らは気付かない。
ざくり。
弓兵の放った矢が、敵の胸を刺し貫いた。
「奇襲か……!」