戦場駆け征く
【戴天】が舞う。


春鈴との稽古など全く役に立っていない。頭から、蘇って来なかったのだ。今の剣技はただ目茶苦茶に剣を振り回しているだけに過ぎない。藍侫の言葉はつくづく正しかった。


刃を突き付けると、大抵の者は怯んだ。怯まぬ者は、体の何処かを切り落とせば大人しくなった。

「死にたくない…!」

農民らしき少年兵が叫ぶ。生に執着した、小さな人間。生きる為に貧民街でひたすら自分を売っていた小さな少年。
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