戦場駆け征く
…
数時間後、漣犀の姿は王宮にあった。
「…本当か。それは、信じても良いものなのだろうな、漣犀」
謁見したことが有るとは言え雲の上の王と会うには手間が掛かった。春鈴に一から全てを説明し、無理矢理名前を使わせてもらってようやく謁見を許された。
「はい、恐らく。もし余裕が有るのならば、榛に密偵を遣わせてください。すぐに真実だと分かるでしょうから」
「……いや、もっと簡単な方法があるだろう?」
傍らに控えている藍侫に目を遣ると、藍侫は謁見室の華美な扉を開けた。
そこに居たのは、その扉すら貧相に見えてしまうほどに華やかな衣を纏った―孫凱だった。
数時間後、漣犀の姿は王宮にあった。
「…本当か。それは、信じても良いものなのだろうな、漣犀」
謁見したことが有るとは言え雲の上の王と会うには手間が掛かった。春鈴に一から全てを説明し、無理矢理名前を使わせてもらってようやく謁見を許された。
「はい、恐らく。もし余裕が有るのならば、榛に密偵を遣わせてください。すぐに真実だと分かるでしょうから」
「……いや、もっと簡単な方法があるだろう?」
傍らに控えている藍侫に目を遣ると、藍侫は謁見室の華美な扉を開けた。
そこに居たのは、その扉すら貧相に見えてしまうほどに華やかな衣を纏った―孫凱だった。