戦場駆け征く
「して」
王の名は瑛。玲瑛、と言うのは最早賢君の代名詞となった。
「次は榛だ」
地図上を優美に滑る手。
これ以上完璧な王は居ないだろう。
「総大将は誰に任そうか?」
頭を下げたままの臣下の一人に指を差した。
武官の中で唯一の女だ。
「…おお、春鈴。そちが居たな」
面を上げよ、と言い、その美しさに玲瑛は目を細めた。
「勿体なきお言葉」
「春鈴、今度の戦―総大将となる覚悟は有るか?」
「私・春鈴は父の娘として玲に生まれた瞬間から王に命を捧げる覚悟でございます」
「父、か。春慧―あやつは父を最後まで見捨てずに居たな。忠義を信じようぞ。榛討伐の総大将に任ずる」
「必ずや、敵を屈服させましょう」
王の名は瑛。玲瑛、と言うのは最早賢君の代名詞となった。
「次は榛だ」
地図上を優美に滑る手。
これ以上完璧な王は居ないだろう。
「総大将は誰に任そうか?」
頭を下げたままの臣下の一人に指を差した。
武官の中で唯一の女だ。
「…おお、春鈴。そちが居たな」
面を上げよ、と言い、その美しさに玲瑛は目を細めた。
「勿体なきお言葉」
「春鈴、今度の戦―総大将となる覚悟は有るか?」
「私・春鈴は父の娘として玲に生まれた瞬間から王に命を捧げる覚悟でございます」
「父、か。春慧―あやつは父を最後まで見捨てずに居たな。忠義を信じようぞ。榛討伐の総大将に任ずる」
「必ずや、敵を屈服させましょう」