都会の魔女
「どうしていつも私を付け回しているの?」

男は少し照れくさそうに、無精ひげを触りながら

「あ、あの・・こんばんわ。
と・・君と友達になりたくて・・・」

と言った。

「ナンパ?
間に合ってるわ。」

イシュは、そう鼻であしらって帰ろうとした。

すると男は
「あ、待って。
よかったらこれ・・・」

と言って、持っていた紙袋の中から何やらゴソゴソと取り出した。

「いつも君、コンビニで豆大福買ってるよね。

これ この街で美味しいって言われている、有名なお店の豆大福なんだけど・・・」

イシュは半分帰りかけていた体を元に戻した。
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