都会の魔女
「身を滅ぼすなんて・・・
 アズ、怖いこと言うのね。

それにね・・・
あの男から危険な感覚は受けなかったわ。」

「悪い人間じゃないの?
僕たちの邪魔しにきたの?」

「まだそこまでは わからないわ。
もう少し様子を見た方が良さそうね。

それより見て、この豆大福。
一つ一つが綺麗な和紙で包まれてる。

豆粒も大きくて、餅もこんなにフワフワしてるし、やっぱりコンビニのとは全然違うわね。

アズも一緒にどう?

これを食べながら今夜の依頼者を待ちましょう。」

「えー・・・
本当にそれ食べて、大丈夫なのかなぁ・・・」

アズラエルの心配をよそに、イシュは美味しそうに豆大福を頬張りだした。

そうして満月がてっぺんに輝く頃
依頼者のメールがイシュに届いた。

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