都会の魔女
「ギャー!」

慎太郎は 顔面に一瞬の痛みを感じたが、すぐには何が起こったのかを把握できなかった。

顔に手をやると、右の頬にはヌルヌルと生暖かいものが流れていた。

「な、何だこれ・・・」

そして顔の上で手を振りかざしてみると、右目の上で何か固いものがあたり、その振動が目の奥の方まで伝わった。

慎太郎の意識は だんだんと遠のいていき、その場に倒れて気を失ってしまった。

ヒロコは右目に刺さった包丁を抜くと、慎太郎の顔に手を置き
手探りでもう片方の左目の位置を確認した。

そして今度は左目に向かって包丁を落とした。

「ふふふ・・・
これでもう、私を見られないでしょ。」
< 218 / 345 >

この作品をシェア

pagetop