都会の魔女
遅れて救急車が到着した。

その中に救急隊員としてやってきたマサルがいた。

マサルは嫌な予感がした。

通報のあった部屋の前まで来ると、そこは見慣れた玄関だった。

慎太郎は恐る恐る中に入った。

「洋子、何かあったのか?!」

警察に包丁を取り上げられ、事情を聞かれていた洋子はマサルを見つけると、警察の手を振り払い
嬉しそうにマサルに駆け寄った。

「マサル、戻って来てくれたのね。

私、頑張ったよ。
二人の邪魔する奴をやっつけたよ。

だからもう、どこにも行かないでね。」

マサルは血だらけの洋子を抱きしめる事も出来きず、ただ立ち尽くすだけだった。
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