都会の魔女
イシュはその横を素通りすると
アビーは 人の気配に気が付いて顔を上げた。

そしてそれがイシュだとわかると、慌てて立ち上がりイシュの後を追った。

「ねーねー、待ってよ。
また豆大福買いに行くの?」

イシュはアビーを相手にしなかった。

「あのさ、だったらうちに来ない?」

「・・・・・」

「今日 “塩豆大福”ってのを貰ったんだけど・・・・」

イシュの耳が“塩豆大福”に反応した。

そして立ち止まり振り返った。
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