都会の魔女
「あなた、ここに住んでるの?」

イシュが聞くと
アビーはキッチンの方で、何かカチャカチャとしながら
「そう。
ここは事務所、兼住居。

と、言ってもそこのソファーで
横になって寝るだけなんだけどね。」
と、答えた。

イシュは部屋の中をジロジロと見ながら歩き回った。

そして窓際へと移動すると
窓に掛っていたブラインドの隙間を指で押し下げた。

すると窓の向こうに、イシュの住んでいるマンションが見えた。

「ここから、君の部屋のベランダが見えるだろ。」

アビーはいつの間にかイシュの後ろに立っていた。
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