都会の魔女
「君んちのベランダ、時々変なカラスが飛んできては
何か話しかけてるよね。」

「ええ、餌付してるの。

あなた、ストーカーだけじゃなくて覗きの趣味もあったのね。」

「い、いや
別にそう言う訳じゃないんだけど・・・

ま とにかく、お茶と豆大福の用意ができたから そこに座って。」

イシュは言われるがまま
古びた黒い皮のソファーに腰をおろした。

目の前のテーブルには、お皿に無造作に置かれた大きな豆大福と
安物の湯呑に入った熱そうな緑茶が用意されていた。
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