都会の魔女
「毒は入ってないから、安心して召し上がれ。」

「これが塩豆大福・・・」

イシュは大福をグルッと一周眺めた後、一口食べた。

「何これ・・・・
しょっぱいのに甘い・・・・・」

イシュは小さな衝撃を受けた。

「赤えんどう豆の塩気が、あんこの甘さをより一層引き出してるわ。

不思議なおいしさ・・・」

「ははは
まるでグルメリポーターみたいだな。

喜んでもらえて良かった。」

「あなたは食べないの?」

「僕はお茶だけでいいんだ。」
アビーはそう言って、自分の湯呑を手に取ってフーフーした。

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