都会の魔女
「ところで、あなたここで何を?

入口には“探偵事務所”って書いてあったけど。」

「まあ 表向きは、見ての通り
探偵の仕事を生業としてる。

その大福も、今日相談に来た依頼主が お土産で持ってきてくれた物だよ。

でも探偵って言うのは、本来の目的を果たすための踏み台に過ぎないんだけどね。」

「本来の目的?」

「うん・・・・・

実は僕、魔女を探してるんだ。」

イシュは驚く様子もなく、再び豆大福をおいしそうに頬張った。

「それで・・・あのさ。

単刀直入に聞くけど
君、魔女だろ?」

イシュは口の周りに着いた大福の粉を手で払い、渋そうにお茶をすすった。
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