初恋タイムスリップ【完】
家の前に着いた。

「美音。誕生日っていうのは、産んでくれたお母さんに感謝する日でもあるんだって。

これ、父さんが言ってたんだけどね。

だから、美音、お母さんに『産んでくれてありがとう』って、ドア越しでも伝えてごらん。

お母さんが美音を産んでくれたから、俺は美音に出逢えたんだ」




成海くん…
本当に優しいね…




「わかった。伝えてみる。ありがとう」



「なんかあったら言えよ」


成海くんは、私の頭をぽんぽんとした。




「じゃあまたな」


「うん」




成海くんは、何度も振り返りながら、帰って行った。




< 108 / 237 >

この作品をシェア

pagetop