初恋タイムスリップ【完】

二人きりの放課後

放課後





音楽室には、まだ誰もいなかった。


うちの中学には、音楽系の部活がない。

必然的に私が入れる部活がなく、私は部活に入っていない。


成海くんは陸上部。




体育祭では、リレーのアンカーで、ぶっちぎりの1位だった。



音楽室の窓から、グラウンドが見渡せる。





あ、陸上部だ……





成海くん放課後練習ってちゃんと覚えているかな・・。


なかなか来ない成海くんに不安になってきた



その時、





「何みてんの?」






後ろから覗き込まれるように、声をかけられた。




見上げると成海くんの顔がすぐそこに…




「な、成海くん!」




「ごめんな、遅れて」




そう言って、私の顔を覗き込みながら、またあの笑顔。




よくみると成海くんの八重歯は右側だけなんだ…





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