初恋タイムスリップ【完】
しばらく成海くんに抱きしめられていた。


「成海…くん?」


私がそう呼ぶと

成海くんは抱きしめていた腕を緩めた。



私は覗き込むように、成海くんを見た。



成海くんは、優しく私の髪をさわった。



「俺、人に対してムカついたり怒ったり、あんましないのに、

美音の髪を他の男に触られただけで、俺すげ−ムカついた」





成海くんは、真剣な顔をしていた。




「私だって、成海くんの隣に前野さんがいるだけで、むかつくよ?」





成海くんは、一瞬嫌そうな顔をした。



「そうか、ごめんな。全然相手にしてなかったんだけど、

これからは俺に近づかないようにはっきり言うよ。

美音に嫌な思いさせてごめんな」





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