初恋タイムスリップ【完】
前野さんが、告白している

どうしよう。

やだ…


重岡さんが、私の背中をたたいた。

「成海くんを信じなさい」


「うん…」








前野さんが泣き出した。




「桜木さんよりも、私のほうがずっと前から、成海くんのことが好きだったのに!

なんで私じゃないの!

なんで桜木さんなの!

どうして!!」





前野さんは、後ろを向いている成海くんのジャケットを強く引っ張った。



成海くんは前野さんの方を向いた。



「俺は美音以外は、誰も好きにならない。

この気持ちは一生、変わらない」



成海くんは自分のジャケットを引っ張り返して、

男子たちの中に紛れて行った。

前野さんは、しゃがみ込んで泣いていた。




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