初恋タイムスリップ【完】
合唱コンクールなんて、

みんなそんなにやる気をだすような行事でもなく、

音楽の時間にだけ練習をする、

そんなものだった。

成海くんと私の関係は、

指揮者と伴奏者。

ただそれだけ。


視線が合うのは、練習の時だけ。

でも、それでも、


私はうれしかった。








秋の合唱コンクールは、練習開始からあっという間に終わり、

成海くんとは当然なんの進展もなく…



私は自分の気持ちを隠して学校生活を送っていた。




ただ、

私は音大付属高校を目指していたから、瀬戸先生にお願いして、

グランドピアノで練習をしたいという理由で、放課後音楽室でピアノの練習をさせてもらえることになった。





「ひとりピアノ部」のようだった。





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