初恋タイムスリップ【完】

お母さんの過去

トントン


「失礼します」


ワイシャツ姿の男の人が入ってきた。


「成海先生、ありました」


男の人は分厚いカルテを、成海くんのお父さんに渡した。


「ありがとう。すまないね」


男の人は会釈して、出て行った。


「父さん、診察は大丈夫なの?」


成海くんが心配そうに行った。


「いや…今日は…実は…
出勤日じゃないんだ。

これを言うと、またお母さんに“休みの日ぐらい家にいてよ!”って怒られちゃうんだけど。

気になる患者さんが今、入院しているからね。見に来ただけなんだ。

ま、良の彼女にも会えたし…仕事しに来てよかったなぁ…なんて…」



「お父さん!!働きすぎです!
今日本当は休みの日だったのね…」


成海くんのお母さんは呆れたように言った。




そういえば優くんは…

「優くんは…?」

「優は幼稚園で預かり保育をお願いしてあるから大丈夫よ」



成海くんのお母さんが優しくいった。




その時、お父さんとお母さんが部屋に戻ってきた。





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