初恋タイムスリップ【完】
目の前でイチャイチャする英理と池田くんを見てホッとしていたら、肩を叩かれた。


「大丈夫か?」


成海くんが後ろに立っていた。



「うん。いろいろありがとね」



私は椅子から立ち上がって、成海くんの前に立った。






「お誕生日おめでとう」



成海くんは、私の頭をぽんぽんとして笑った。





「ありがとう」






「私、プレゼントを買いに行けなくて…ごめんね」




成海くんは私のほっぺの傷の下に手をあてた。




「そんなのいいよ。早く傷、治るといいな」




その時、放送が流れ、体育祭が始まった。





成海くんは運動神経がいいから、体育祭でとても目立っていた。



中学3年間、ずっとそうだった。




陸上部なだけに、走るフォームもきれい。


成海くんが走るたびに、一年生の女子たちが、キャーキャー騒いでいた。








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