初恋タイムスリップ【完】
受験
月日は流れ、秋から冬へ。
あの日から、成海くんとは学校以外では会わなくなった。
休み時間と帰り道だけ。
私はあの日から、気持ちに整理がついた。
冬休みは一日も会わず、私も勉強を頑張った。
そして、受験当日をむかえた。
私は自分が通った高校に合格した。
ホッとした。
そして、担任の先生に報告をしに学校へ行った。
「そうか!受かったか!
おめでとう!
よかったよかった!」
職員室で先生が喜んでくれた。
隣に成海くんの担任の先生が座っていた。
「成海くんは、もう来ましたか?」
「いや、まだだ。遅いな…」
先生は腕時計を見た。
私は職員室を出て、下駄箱で靴を履きかえ、外に出た。
校門から歩いてくる男子数人が見えた。
その中に成海くんがいた。
私は近づいた。
「じゃ、成海、先行ってんな」
一人の男子が成海くんの肩を叩いて通り過ぎた。
「あぁ。後で行くよ」
成海くんは私の前で立ち止まった。
成海くんは、私の大好きな笑顔で笑った。
「K校、受かったよ」
私は、その瞬間、
涙が溢れ出た。
「よかった!おめでとう!成海くん!!」
成海くんは私の頭をぽんぽんと撫でた。
「美音は?」
私は泣きながら何度もうなづいた。
「私も受かった…」
成海くんは私の頭をずっと撫でていてくれた。
本当に
よかった…