初恋タイムスリップ【完】
「何………言ってんだ…………」
成海くんはバッグを下に落とした。
「今…なんて言ったんだ…」
「成海くんは、優しいから私がそばにいたら、ダメなんだよ。
ダメ…なんだよ…
お願い、夢を叶えて!
大事な夢を叶えて!!」
成海くんは私の肩をつかんだ。
「俺は、美音と結婚することも、医者になることも両方叶えてみせるって言っただろ。
だから俺のそばにいろよ!
俺のそばにいて、夢が叶うのを見届けろよ!」
成海くんは少し強く私の肩を揺さぶった。
…違うの…
本当は私たち
…別れているんだよ…
「成海くん。
たくさんの優しさと、たくさんの楽しい思い出をありがとう…
私
私
絶対に忘れない……」