初恋タイムスリップ【完】
成海くんは私を強く抱きしめた。



「なんでそんなこと、言うんだよ…」





抱きしめられると、泣きそうになる。




私は涙をぐっとこらえた。





「成海くん…最後に一つだけお願いがあるの」




成海くんは私の顔を見た。

今までに見たことのない表情をしていた。






「私に“別れよう”って言って………」





私の肩を持つ手が震えた。



「そんなこと…


そんなこと言えるわけないだろ!!」





私は真剣な顔で成海くんの目を見た。



「お願い!

私のためだと思って、言ってほしい!

お願い…!」





私が前に進んで歩いていけるように



お願い


成海くん………





「それが美音のためになるのか?

俺と別れる事が、本当に美音のためになるのか?」


成海くんは私の肩を揺らした。



「うん」




私は



うなづいた。









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