初恋タイムスリップ【完】




二人で毎日手をつないで歩いた、学校からの帰り道



今、走りながら周りを見ると



景色のすべてに


二人の思い出がありすぎて




ありすぎて





こぼさないように


こぼさないようにしていた涙が




一粒こぼれたら





とめどなく涙が溢れ出してきた。






壁に挟まれた細い道



二人座ってたくさん話した大きな石





私は走るのをやめて、


ゆっくり歩いて



歩いて、




二人で何度もキスをした大きな石に


泣き伏せた。










これでいいんだ。





さようなら成海くん



世界で1番愛しいひと










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