初恋タイムスリップ【完】
二人の様子を、空高くから少女が見つめていた。
どんどん空高く上がりながら、その姿はだんだんと大人の女性になった。
【美音…お母さんのせいで、たくさん苦しめてしまって本当にごめんね。
お母さん、自殺をしてからずっと美音を側でみていたわ。
あなたはいくつになっても、成海くんを愛し続けていた。
成海くんもいつまでも、美音を愛し続けていた。
お母さん、二人を見ていて、私はなんてひどいことをしてしまったんだろう…って後悔したわ。
二人をまた出会わせる事も考えたけど、
あの時、
15歳という大切な青春時代の二人の思い出を
作ってあげたかった。
だから
過去に行かせることを思いついたの。
でもそれには条件があったわ。
お母さんの正体をばらさないために別の姿で美音近づくこと、
過去の自分は操作してはいけないこと、
一度修正した過去は、元に戻しちゃいけないこと
期間は一年間。
お母さん、期間しか守れなかったわ。
過去に美音が戻って、美音に暴言をはいている自分の姿を見て、本当に恥ずかしくなった。
情けなくなった。
辛くなった。
だから、操作しちゃいけない事を承知で、
私は、部屋に自分を閉じ込めたわ。
しゃべらないようにしたわ。
本当にひどい母親なんだって思い知らされた。