初恋タイムスリップ【完】


ひどい母親なのに


生んでくれてありがとうって言ってくれて、ありがとう。


本当にうれしかった。


美音を最後に抱きしめる事ができてよかった

あやまることができてよかった…………



美音は“修正しなかったことにしてほしい”っていったでしょ?



だから




大切な人には『夢』として見てもらったわ。



お母さん、掟をやぶったから、魂ごと消えなきゃいけないの。



さようなら……美音




幸せになるのよ】









一瞬、星が瞬いた。

あの女の子は

お母さんだったんだ…



お母さんありがとう。


思い出を…ありがとう。



最高の誕生日プレゼントだよ…






オルゴールのフタの中に、リングのついたネックレスが入っていた。



「これ・・・」



成海くんが、そのネックレスを取り出した。


そして、私の首に手を回し、つけてくれた。



「もう一度、はじめよう。俺たち」




もう一度・・・





「・・・うん」






成海くんは、私の頭をポンポンと撫でた。



あの時と、優しい手で


あの時と、優しい笑顔で







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