初恋タイムスリップ【完】
私の不安な気持ちは…きっと成海くんは知らない。


私は誰にも自分の不安な気持ちを話さなかった。


英理にも成海くんにも。




そんな気持ちをよそに、成海くんはいつでも私に優しかった。


成海くんは教室では普段と変わらない様子だった。


ただ、目が合うと、いつも優しく微笑んでくれた。


そしてすれ違う時には私の頭をポンポンとなでた。




放課後のピアノの練習は、いつのまにか「成海くんの部活が終わるまで」となり、

音楽室から陸上部が終わりそうなのを見計らって、私も練習を終わりにした。


音楽室の窓から外を見ると、必ず成海くんは気付いてくれて、大きく手を振ってくれた。



そう、


成海くんはいつでも、優しかった。





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