初恋タイムスリップ【完】
成海くんは優しくそっと受け取ってくれた。
「あ…ありがとう」
成海くんは、いつもの笑顔で笑った。
「開けていい?」
「うん」
「マフラーだ…これ、美音が編んだの?」
「うん」
「すげ−な。ありがとう!」
そして私にそのマフラーを渡した。
「…?」
「俺に…巻いてよ」
「あ…うん」
顔が一気に熱くなった。
えっと
えっと…
ちょっと、成海くん、背が高くて届かない。
一生懸命背伸びしている私をみて、成海くんが吹き出して笑った。
「これでとどく?」
成海くんが前屈みになってくれた。
これで届くんだけど…顔が近付き過ぎて、手が震える…