初恋タイムスリップ【完】

別離

どんなにひどい事をされても、

その頃の私にはお母さんというのは絶対的な存在だった。




どうやったら私を愛してくれるのか、

どうやったら昔の綺麗なお母さんに戻ってくれるのか

そんな事を考えていた。




私は母親の呪縛から逃れられない運命を、受け入れる事にした。


お母さんに愛されたい一心だった。


お母さんに気に入られたい。


お母さんに嫌われるようなことは、絶対にしちゃいけない。


お母さんの望む、娘になりたい。



そして、それには


私は、恋愛をしてはいけない。


彼氏なんてとんでもない。


お母さんを、怒らせてしまう。


だから、


成海くんとは、別れるしかない。


その頃の私は、そう思い込んでいた。




< 59 / 237 >

この作品をシェア

pagetop