初恋タイムスリップ【完】

二人の生活

お母さんが死んで、お父さんと二人の生活が始まった。

お父さんは近所の小さい事務所に再就職した。


収入は激減した。



今まで仕事人間で、ほとんど家にいなかったから、お父さんの事をよく知らなかった。


ただ、たまに帰ってきて、お母さんを怒鳴って殴る怖い存在でしかなかった。

でも今は違う。



仕事はいつも5時に終わるから、それからス−パ−で買い物をして、夕飯を作ってくれた。



学校から帰ってきてピアノの練習をして、一緒にご飯を作る事もあった。


「お父さん料理上手!」



私が驚いたように言うと、お父さんは得意げに

「だろ〜〜〜!」と笑った。



初めてこの食卓で、笑いながらご飯を食べた。



暗闇から、私を救ってくれたのは、



お父さんだった。






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