ドーンッッッ!!
* * *
地球から、何千、何億、数え切れないほどの光年を隔てた場所に
ルナ達の住むアローマデンクという星がある。
そこは緑に包まれ、紛争、殺人、あらゆる“不条理”な事件が起こらない平和な星だった。
民たちは、何の不便も無く 何の不安も無く その星で、各々が平和に幸せに暮らしている。
だが、彼女達は知らない。
その星自体が、ある目的で造られたものだという事を。
彼女達は知らない。
その星には“一つの性別しかない”という事を。
彼女達は知らない。
それが、民たちが崇める女神、デブラの自己中心的な感情によって決められた“設定”だという事を。
そして
彼女達は。
女神を含めた、その星の彼女達は。
“愛”という感情を、今までも
これからも
ずっとずっと、知る事は無い。
それで良かった。それで良いと思っていた。
だが、“彼女”は知らない。
“彼女達”が、今まで知りえなかったその感情に触れたいと願い始めたという事を--------………
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