ドーンッッッ!!
デブラがそれに気付いた時、ルーチェはハルスの子を身籠っていた。
彼女の気持ちに気付かない二人は、肩を寄せ合いながらこう言った。
『貴方も恋をすればいいのに』
頭が真っ白になった瞬間だった。
拙いながらも、必死で恋をしてきたつもりだったのに。
こんなにあっけなく終わってしまう事を“恋”と言うならば
いっそ、そんな感情は持ちたくなかった。
私の様に、身が裂ける思いをする事が無い様、今度造る星には一つの性別しか住んではいけない事にしよう。
そして、恋などと言う感情は最初から造らなければいい。
彼女がそう決めた星こそがアローマデンクだったのだ。
家族というものが無い、どこか寂しい星。
赤子のまま産まれては、育てる人が居ないだろう。
その思いから、成熟した身体で産まれる。
彼女にとっては優しさだった。これでいいと思っていた。
何百年も、そうやって廻って来た仕組み。
それまで何も起こらなかった。
人々が平和に暮らしている事こそが、自分の考えが正しかったという証拠。
…そうだ。自分が別の星を造り始める時、ここを守って行く後継者を造ろう。
全ての力を持った、神という名にふさわしい後継者を…!!
彼女が時間を費やして造ったもの。
それが、ガンノードだった。