ドーンッッッ!!




ガンノードには神としての威厳を持たせるため、民達が持っている力を全て与えた。


魔法、知能、武力。


全ての能力を手に入れる事によって民達の気持ちも分かり、揉め事があった場合に対処できるのではないかと思った末である。



その力は、デブラの持ち得る全てだった。


彼女はガンノードを、自分のクローンの様にしたかったのだ。



そして民達と同様、“愛”という感情を持たない身体を作ってガンノードに与えた。



あの悲劇を経験する事のない様に、“愛”だけは。





だが




彼女は気付かない。




それこそが“愛”だという事に。






やり方は非道とも言える、身勝手な感情に振り回された行動ではあるが


それも、ガンノードや民達を心配しているから


愛しているから出来る事。



異性への愛しか頭にないせいで、自らが造った者達への愛がある事に気付いていなかったのだ。



身を粉にして造った、言わば子どもたちの様な存在。



愛していなければ、こんなにも星を豊かにできる筈が無いというのに。









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